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株式会社アースクリーン

1994年5月26日 読売新聞 

和光市 「EM」で減量化推進

生ごみ、優良たい肥に目標、
世帯の6割普及


和光市産業課の要害敏一課長補佐は最近、自宅内でトマト栽培を始めた。鉢に苗を構えて四日目トマトの実は最初の一・三倍ほどに大きくなり、丸くなっていた葉が元気に開いた。要害さんの目が逆に丸くなつた。
 家庭園芸を始めたきっかけは、EM(有用微生物群)について書かれた本を読んだことだった。EMに米ぬかなどを混ぜ粉末状にしたEMぼかしを生ごみにかけると、生ごみが優良なたい肥になる。
 同市清掃センター建設にかかわったこともあって、要害さんは環境問題に強い関心を持っていた。「このままだと市内のごみ施設がパンクしてしまう」という危機感もあった。
半信半疑だったが、EMを実験してみた。四月末、プラスチック容器に生ごみを入れ、その上にぼかしをかけ続けた。一週間で容器はいっぱいになった。十日間ほどそのまま放置、たい肥化したと思われる「生ごみ」を土に埋め、苗を植えた。繕果は、大成功だった。
 驚いたのは要害さんだけではない。去年末に同じ本を読んだ田中茂・市長もその一人。慶応大医学部の細菌学教室で学んだことのある田中市長にとって、EMの理路は、今まで考えもつかなかったようなユニークなものだった。
 田中市長は、本で紹介されていた岐阜県可児(かに)市視察を決める。EMでのたい肥づくりを積極的に援助、一年で一五%ものごみ減量に成功した「EM先進市」だった。視察後すぐ、田中市長はEM関連事業開始を決めた。
 和光市では今年度に入り、産業課が市民農園で花などを栽培する市民のうち希望者二十世帯に、十リットル入り容器二つと三百グラム入りのEMぼかし三袋を配つた。各家庭で出た生ごみをたい肥化、農園で実験使用してもらおうという考えだ。また、市廃棄物対策課は、今月二十七日まで、EMの効果を試してもらう「生ごみリサイクルモニター」も募集している。
 市は「今年はあくまでも実験」としながら「将来は、市内全世帯中六割でEMを使ってのごみリサイクルが普及することを目指す」と意欲的だ。
 同じように出た生ごみのたい肥化には現在、土の上に底が空洞の大型容器を置き、これに生ごみを詰めて高温密閉の状態で自然にたい肥をつくるというコンポスト容器を使うのが一般的。県廃棄物対策課によると、平成四年度中に県内七十一市町村がコンポスト容器計約二万二千基に対し助成金出している。
 しかし、コンポスト容器を使ってのやり方では、「虫がわく」「臭い」などの欠点もあり、アパート居住者などの多い都市部では利用の制限が大きい。コンポスト容器に対する補助を実施している隣の朝霞市では、申請件数の低迷から一年間で補助基数が半分以下にも減った。
 これに対しEMは、においもそれほどひどくないし、虫もわかない。さらにたい肥の過程で出た発酵液をトイレや台所の排水口などに流したところ、悪臭が消えたという。「今あるほとんどの環境汚染を、前例のない『早さ』と『低コスト』で解決する」と比嘉教授が述べるEM。「良いことずくめで半信半疑」などと他自治体の多くが模様眺めする中、和光の実験が始まっている。

【EM】Effective Micro-organisms (有用微生物群)の略。酸素を嫌う嫌気性菌と好む好気性菌、両性格を持つた菌、計八十種以上もを選び出して複合した培養液。嫌気性菌の好物が硫化水素などの汚染物質であるため環境浄化にもつながる。琉球大の比嘉照夫教授(園芸学)が開発した。


大規模化、積極展開を
重要、発生源での分別


浦和の小川さん提言


 こうした一方で、「家庭で小規模に取り組んでも根本的な生ごみ減量化には役立たない。強力発酵菌(EMもこの一種)を使って、さらに大規拠な生ごみの肥料、飼料化を進めるべきだ」という主張もある。
 これまで大規模なたい肥化が進まなかったのは、排出される生ごみに、プラスチックや電池などの不純物が混入することが多かったことも一因。浦和市内の建築設計事務所の小川弘社長(48)は「集合住宅や事業所に設置したディスポーザー(生ごみ粉砕機)で、生ごみを粉砕し、固体と液体に分離した上で生ごみを貯留、トラックなどでたい肥化処理施設へ輸送するシステムを取るべきだ」と話す。ごみの発生源で分別を行うのがポイントだ。
 処理施設で強力発酵菌による処理をした有機肥料や飼料は、脱水して粒状化することで従来の化学肥料と同様に、使いいやすくなり需要が見込める。ごみから価値が生まれることで、処理業者の採算もとれる」。
 小川さんは、「粒状化で、農業以外にも利用範囲が広がり、輸出もできる。ごみ減量化だけでなく、砂漠緑化などへの応用も可能になる」と、こシステムの実現を力説している。